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でもやっぱりドラッカー 29/30

フリーランスに役立つ言葉

生きていくための自分ルール 「変革を起こす方法、やったらあかんこと」

 

フリーランスにも、イノベーションが必要だと思う。もちろん、同じことをずっと長きにわたって淡々と積み上げていくことを否定するつもりはない。

 

ただ、飽きてしまう人間は、イノベーションを自分の人生に仕掛けなければならない。

 

 前回は、イノベーションを起こすために「やらなければならないこと」とするドラッカーの考えを紹介した。

 

それらは

  1. イノベーションのチャンスを分析すること。
  2. 理屈だけでなく感覚的なものも大切なこと。つまり外に出て人を見て感じろってこと。
  3. イノベーションは単純なものにすること。
  4. 小さく始めること。
  5. 最初から一番になることを目指せ。

だった。 

 


その一方で彼は「なすべきでないこと」も説いている。


以下、引用部分はイタリック体です。

 

そしていよいよ、いくつかの「なすべきでないこと」がある。

 

 第一に、凝りすぎてはならない。イノベーションの成果は、普通の人間が利用できるものでなければならない。多少とも大きな事業にしたいのであれば、さほど頭のよくない人たちが使ってくれなければ話にならない。つまるところ、大勢いるのは普通の人たちである。組み立て方や使い方のいずれについても、凝りすぎたいのべー本は、ほとんど確実に失敗する。

 第二に、多角化してはならない。散漫になってはならない。一度に多くのことを行おうとしてはならない。これは、「なすべきこと」の一つとしての的を絞ることと同義である。

 

 核とすべきものから外れたイノベーションは雲散する。アイディアにとどまり、イノベーションに至らない。ここでいう書くとは、技術や知識に限らない。市場であることもある。事実、市場についての知識の方が、技術についての知識よりもイノベーションの核となる。イノベーションには核が必要である。さもなければ、あらゆる活動が分散する。イノベーションにはエネルギーの集中が不可欠である。イノベーションにはそれを行おうとする人たちが、たがいに理解しあっていることが必要である。そのためにも、統一、すなわち共通の核となるものが必要である。多様化や分散は、この統一を妨げる。

 

 

この「なすべきでないこと」の第一と、第二のふたつは、「なすべきこと」と同じことの言い換えととらえてもいい。

 

すなわち、

 

単純にしておけ

 

ってこと。

 

 

 第三に、未来のためにイノベーションを行おうとしてはならない。現在のために行わなければならない。たしかに、イノベーションは長期にわたって影響を与えるかもしれないし、二十年たたなければ完成しないかもしれない。だが、「二十五年後には、大勢の高齢者がこれを必要とするようになる」というだけでは十分ではない。「これを必要とする高齢者はすでに大勢いる。もちろん時間が味方だ。二十五年後には、もっと大勢の高齢者がいる」と言えなければならない。

 

現時点でただちに利用できなければ、レオナルド・ダ・ヴィンチのノートに描かれたスケッチと同じように、アイディアにとどまる。我々のほとんどが、ダ・ヴィンチのノートに描かれたスケッチと同じように、アイディアにとどまる。われわれのほとんどが、ダ・ヴィンチほどの才能をもたない。われわれのノートが、それだけで不滅の価値を持ち続けることはない。

 

イノベーションには、長いリードタイムが伴うときがある。医薬品の開発研究では十年を要することも珍しくない。しかし、きょう医療上のニーズが存在していない医薬品の開発研究に着手する製薬会社はない。

さらに、ドラッカーはイノベーションの成功には三つの条件があるという。

 

  第一に、イノベーションは集中でなければならない。イノベーションを行うには知識が必要である。創造性を必要とすることも多い。事実、イノベーションを行う人たちの中には、卓越した能力を持つ人たちがいる。だが彼ら名、同時に異なる分野でイノベーションを行うことはほとんどない。あの恐るべき才能を持っていたエジソンさえ、電気の分野でしか働かなかった。金融のイノベーションに優れたニューヨークのシティバンクが、小売業や医療についてイノベーションを行おうとすることはありえない。

 

 イノベーションには、他の仕事と同じように才能や素地が必要である。だがイノベーションとは、あくまでも意識的かつ集中的な仕事である。勤勉さと持続性、それに検診を必要とする。これらがなければ、いかなる知識も創造性も才能も無駄となる。

 第二に、イノベーションんは強みを基盤としなければならない。イノベーションに成功するものはあらゆる機会を検討する。そして「自分や自分の会社に最も適した機会はどれか。自分(あるいは自分たち)がもっとも得意とし、実績によって証明済みの能力を生かせる機会は何か」を考える。ここにおいても、イノベーションはほかの仕事と変わるところがない。それどころか、

 

イノベーションほど、自らの強みを基盤とすることが重要なものはない

 

なぜならば、イノベーションにおいては、知識と能力の果たす役割がきわめて大きく、しかもリスクが伴うからである。

 

 イノベーションには相性も必要である。何ごとも、その価値を心底信じていなければ成功しない。製薬会社が口紅や香水で成功することはあまりない。イノベーションの機会そのものが、イノベーションを行おうとする者の価値観と合っていなければならない。彼らにとって意味のある重要なものでなければならない。さもなければ、忍耐強さを必要とし、かつ欲求不満を伴う厳しい仕事はできない。

確かに、ここは大切なところだ。特に自分にとっては。。。

 

飽きていて、わくわくするものは何か?と探すときに、ついつい、知らない世界や、あこがれている世界に目を向けがちになる。きっと自分ならできると、根拠のない自信が、迷路の入り口になるのに。

 

ドラッカーが注意していることは、まさにここなのかもしれない。

 

 第三に、イノベーションはつまるところ、経済や社会の変革を目指さなければならない。それは、消費者、教師、農家、眼科医などの行動に変化をもたらさなければならない。プロセス、すなわち働き方や生産の仕方に変化をもたらさなければならない。イノベーションは市場にあって、市場に集中し、市場を震源としなけれなならない。

このあたりは、正直ピンとこないような、くるような。。。

 

もし、自分が実績を積んできた、強みを生かせる分野、市場にいるなら、業界と顧客との間の「思い」のギャップ、ズレにすでに、日ごろから気づいているのかもしれない。

 

その違和感とか、「ここ、もう少しこうすれば、こうなれば、、、」と業界や市場に対しての思いがあるのならば、そこを変えていくことに着目することが、ドラッカーが言う、経済や社会の変革につながるということなのだろう。

変革を成功させるひと、イノベーションを起こすひと、これをイノベーターと呼ぶらしい。

 

イノベーターと聞くと、とんでもないことを発想し、とてつもないラッキーのもとに、奇跡の連続をも引き寄せてしまう天才を想像してしまうが、、、、

 

ドラッカーによると、イノベーターは地味だった件。

イノベーターはリスクを冒さない。

 

イノベーションに成功するものは保守的である。

 

保守的たらざるをえない。

 

彼らはリスク志向でない。

 

機会志向である。

引用は以上