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ドラッカーの限界 26/30

フリーランスに役立つ言葉

生きていくための自分ルール 「ドラッカー、ときどき老荘」

 

老荘思想は、1980年代、イギリスやアメリカで注目されたと聞いている。

 

そのきっかけとなった著作のひとつに、「タオ自然学」がある。

 

この本は日本では1979年に発行され、著者は高エネルギー物理学の理論研究をしていたフリッチョフ・カプラという人だ。

 

内容は物理学者と神秘主義者の世界観が似ているというもの。

 

地味に発刊されたにもかかわらず、口コミで広がりアメリカ、イギリスで熱烈な支持を受けて一世を風靡したという書評もある。

 

理系のひとが自分の研究をしているときに、文系の、それもアジアの考え、思想、哲学のなかに、実験解釈時に類似性を発見するっていう話は、興味をそそる。

 

僕がこの本を読んだのは大学の2年生の時だ。

 

大学受験で物理を選択していたので、物理の、しかも素粒子などを扱う研究者が、自分が気になっていた、老荘思想のことを物理学者の視点から紹介しているこの本を、興奮して何度も読んだ記憶がある。

 

この本の中には、有名な日本の仏教学者の鈴木大拙もよく出てくる。僕は名前は知っていたのに、どのような人かは、知らなかった。

 

鈴木大拙のことを、このオーストリア出身のアメリカの物理学者がこの本を通して教えてくれた。

 

また、老子、荘子のことも物理学を通して解説してくれていることが、僕には急に老荘思想を身近に感じさせてくれた。

 

当時の下宿の書棚に実家の父の本棚から拝借してきた老子、荘子の本があった。

 

「タオ自然学」を読んだ後、福永先生の老子、荘子を読んだ。。。。読めた。

 

面白いと感じた。

 

 

 

ドラッカーから大分離れてしまったが、フリッチョフ・カプラもドラッカーと同じくオーストリア出身のアメリカ人だ。

 

オーストリア人というだけで、僕はモーツアルトも含め、リスペクトしてしまう。

 

 

Julius SilverによるPixabayからの画像

今日の老荘

以下引用

 

 儒教とタオイズムという中国の二大思想のうち、神秘的傾向の強いタオイズムは、現代物理学との関連が特に深い。

 

 ヒンドゥー教や仏教と同じように、タオイズムも理性的知識よりも直感的知恵に重点をおく。理性的思考の限界と相対性を認めているのである。タオイズムとは、基本的にはこの世界からの解放の道であり、この点に関しては、ヒンドゥー教のヨーガやヴェーダーンタの道、あるいはブッダの八正道に類似している。中国文化の中でのタオイストの自己解放は、世間的な風習からの自由を意味していた。

 

 タオイズムは、ほかの東洋思想に較べて、習慣的知識や論理に対してとくに懐疑的である。知性では絶対にタオを理解できないという強い信念がその根底にあるからである。荘子は次のように語っている。

 

 

 

 もっとも広範な知識によってもそれを知ることができるとはかぎらない。人間は論理によって賢くなるわけではない。賢者はこのどちらも信じない。

 

 

 

 『荘子』には、論理と論議に対するタオイストの蔑視がふんだんに含まれている。

 

 

 

 よく吠えるからと言っていい犬だとはかぎらないように、人も口がうまいからといって賢いとはかぎらない。

 

 議論をすることは、ものごとをよく見ていない証拠。

 

 

 

引用は以上


 

 

もしかすると、荘子にかかれば、ドラッカーは評価されないかもしれない。

 

 


引用元

 

「タオ自然学」

現代物理学の先端から「東洋の世紀」がはじまる

 

フリッチョフ・カプラ

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