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ドラッカー 8/30

フリーランスに役立つ言葉

生きていくための自分ルール 「何によって知られたいか」

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41歳のドラッカーは、父のアドルフと1950年の正月に父の友人で当時経済学者として有名だったジョセフ・シュンペーターを訪れた。

 

そのとき、ドラッカーの父とシュンペーターとの会話から学んだことを紹介している。

 

(以下本書引用⋆)

 

 オーストリア大蔵省の官僚だった父は、大学で経済学を教えていた。1902年、父は19歳の秀才シュンペーターと出会った。二人は全く似たところがなかった。シュンペーターは雄弁で、行動家、自信家だった。父は静かで落ち着いた謙遜家だった。二人の友情はずっと続いていた。すでにシュンペーターは名をなしていた。ハーバードでの最後の年を迎えていた。その名は絶頂期にあった。

 

 二人はむかし話を楽しんだ。いずれもウイーン生まれで、ウイーンで仕事をしていた。二人ともアメリカに移住してきた。シュンペーターは1932年に、父はその4年後に移住した。突然、父はにこにこしながら、「ジョセフ、自分が何によって知られたいか、今でも考えることはあるかね」と聞いた。シュンペーターは大きな声で笑った。私も笑った。というのは、シュンペーターは、あの2冊の経済学の傑作を書いた30歳ごろ、「ヨーロッパ一の美人を愛人にし、ヨーロッパ一の馬術家として、そしておそらくは、世界一の経済学者として知られたい」といったことで有名だったからである。

 

 彼は答えた。「その質問は今でも、私には大切だ。でも、むかしとは考えが変わった。今は一人でも多くの優秀な学生を一流の経済学者に育てた教師として知られたいと思っている」。おそらく彼は、そのとき父の顔に浮かんだ怪訝な表情を見たに違いない。というのは、「アドルフ、私も本や理論で名を残すことだけでは満足できない年になった。人を変えることができなかったら、何も変えたことにはならないから」と続けたからである。

 

(引用以上)

 

 


*引用元

プロフェッショナルの条件

ーいかに成果を上げ、成長するかー

著者/P.F.ドラッカー

翻訳者/上田惇生

発行所/ダイヤモンド社

  

 この二人の会話を忘れられないと述懐しているドラッカーは我々に以下の3つのことを教えてくれる。

 

 

 

・自分は何によって人に知られたいかを自問しなければならない。

 

・その問いに対する答えは、歳をとるにつれ、成長に伴って変わっていかなければならない。

 

・本当に知られるに値することは、人を素晴らしい人に変えることである。

 

  

 

 

最初の二つは、納得できる。

 

しかし三つめは、少々きれいすぎる。ドラッカーは自分でも理論立てて書くよりも情熱で書くと言っていたそうだ。

だから、ここでも「素晴らしい人に変える」とあり、「素晴らしい」ってどのようなことなのか?と戸惑う。

 

個人的には素晴らしく変えるかどうかは、分からなくていいと思う。

 

ただ、自分がいいと思うことを目の前の人に、行動で、言葉で、表情で示して、その人の人生において自分が少しでも役に立てることができたのなら、それでいい。

  

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