· 

歯を長持ちさせるには

歯を健康に保ち、いつまでもおいしく食事するには次の3つが大切です。

 

  1. 歯をきれいにしておく:毎日の歯みがき、定期的な歯科医院での歯石除去、歯面清掃。
  2. くいしばりに気を付ける:食事以外の時は、なるべく歯を休ませることが、歯をすり減らしたり、痛みを出したりすることを防ぎます。
  3. 口の乾燥に気を付ける:唾液がしっかり出ていると、むし歯や歯周病の予防になるだけでなく、風邪をひくリスクも低くなります。

 

逆に言うと、3つのことを気をつければ、さまざまなお口のトラブルは回避できます。

 

1.歯をきれいにしておく

歯を掃除することは、すでに今の日本では常識になっています。

 

毎日のお手入れは忙しくても一日に一回はかならずやりましょう。

 

毎食後に歯みがきをすることが理想ですが、外食の時はできないでしょう。

 

そういう時は、家に帰って、寝る前にゆっくり磨いてください。

 

また、行きつけの歯科医院に少なくとも1年に1度行って、歯石を取ってもらうようにしましょう。

 

その時に、みがき残しがある個所を歯科衛生士さん、歯科医師に教えてもらって、ブラッシングのテクニックも学びましょう。ブラッシングのテクニックの精度を上げれば、歯石の量も減らせます。

 

歯科医院はたくさんありますが、できればあちこち行かないで決まったところに行くようにしましょう。

 

なぜなら、歯周ポケットの深さや歯垢(しこう、デンタルプラークともいう)がどこに残っているか、記録されるので、次に受診したときに前回との比較、評価をしてもらえるからです。

 

 

 

David MarkによるPixabayからの画像

2.くいしばりに気を付ける

人は、頑張るとき、くいしばります。

 

耐えるとき、くいしばります。

 

趣味の手芸の時に集中するあまり、くいしばってしまいます。

 

ゲームに夢中になり、くいしばります。

 

重いものを持ち上げるとき、くいしばります。

 

腹立つことを言われ、言い返せないとき、くいしばって耐えます。

 

明日やるべきことを心配して寝てしまうと、寝ている最中も緊張して噛んでしまう力が大きくなります

 

くいしばらないように気を付けるとは、

 

もしかすると、考えのクセも少し変えなければなりません。

 

真面目で誠実な人柄のひとが多い印象です(科学的根拠はありません)。

 

気楽に過ごすことです。

 

日々、頑張りすぎず、いいかげんにしておくことで、自分を守りましょう。

 

寝る前に、明日の心配はせず、寝ることを楽しみましょう。

それでも、朝、歯を磨くときにしみたり、口が開けにくいときは歯科医院でマウスガードを作ってもらってそれを装着しましょう。

 

どうしても、くいしばる必要があるときもあります。

 

運動するとき、ジムなどで筋トレするときなどは、マウスガードを装着しましょう。

 

 

要するに、くいしばりはストレスから来ます。ストレスはある程度人間生活では必須ですが、ストレスが強すぎるとくいしばってしまいます。

 

 

 

 

muklinikaによるPixabayからの画像

3.口の乾燥に気を付ける(口臭の原因)

一日に唾液は1500ml、1.5リットル出ると言われています。

 

この唾液の量が減ると、どうなるか?さまざまな気になることが出てきます。

 

まず、口のニオイです。

 

いくら歯を磨いても、臭いが出てくる場合は、乾燥を疑いましょう。身近な人に指摘されて、急に気になり始めます。

 

毎日使っている、台所のシンクでも、しばらく水が流れない時間が長くなり、室温が高いとき、臭いませんか?

 

1.5リットル出る、唾液という液体が、流れなくなると、口の中は36度前後で、雑菌にとっては、増殖し放題になります。

 

では、口の乾燥の原因は様々ですが、まず以下のことをチェックしてください。

 

  • 生活リズムは乱れていないか?
  • 睡眠時間は確保できているか?
  • 「戦いモード」ではないか?・・・つまり、課題や宿題の期限に追われているとか、好きなゲームで戦闘モード(緊張状態)になっていないか?
  • 疲労がたまっていないか?
  • 鼻炎のくすりなど、分泌物を出にくくするものを服用していないか?

 

心当たりあるものがあれば、見直して対策が取れそうならとってみてください。

 

 

 

しかし、なかなか難しいこともあります。

 

夫婦で来院されている患者さんで「だんなの口が臭いんです。今度来たらちゃんと歯を磨くように言ってください」という奥様がいらっしゃいます。

だんなさんの歯磨きの仕方は問題ないのに、確かに少し乾きがあります。

 

お聞きすると、お仕事が、夜間に出勤する日が週に何日かあるとのことです。

 

この場合、昼夜逆転することもあれば、休みの日は家族のリズムに合わせたりと、体内時計が狂いがちになり、唾液がうまく出なくなっていると推察できます。

 

理屈ではそうですが、これに対してどうすればよいかはお仕事ですから難しいです。

 

ただ、奥様に理解してもらう必要があり、だんなさんが家にいらっしゃるときはなるべく睡眠をうまく取れるように協力していただく必要があります。

 

 

よく経験するのは、お口の掃除がキッチリできている方が「口が臭う」と気にされていることです。

 

口のにおいを気にし続けると、精神的にいつも緊張状態になり、その緊張から口が乾くことになります。

 

気楽に生活し、寝ることを大切にして睡眠を楽しんでください。

 

仕事も、勉強も、そして趣味のゲームや、模型作り、作品作りも1~2時間おきに、休みましょう。

 

口の乾燥は、他にも歯ぐきからの出血が起こりやすくなったり、粘膜が乾燥することで、ウイルスなどの体内への侵入を許し、かぜをひきやすくなったりします。

 

PublicDomainPicturesによるPixabayからの画像

上の3つのうち、2つは意識しても難しい、しかしあきらめない

毎日の歯みがき、定期的な歯科医院での掃除の習慣をまず付けることです。歯科医院に行くことができなければ、歯みがきの回数を増やしましょう。

 

まずは、これです。これは意識して行動すれば習慣にできます。

 

次のふたつは、意識して、行動しても習慣化するまで時間がかかりますし、意識しても結局できないときも出てきます。

 

くいしばりすぎないこと、乾燥に気を付けることはなか難しいこともあります。

 

なぜなら、心の持ち方が原因のことも多いからです。

 

ざっくりと言えば「その場の空気を読める敏感なヒト」「集中力のある人」「心配事がある人」「生活が不規則な人」が多い印象です。

 

提案としては、

 

適当に、おおらかに、ゆったり生きませんか?

 

嫌なことがあったら、寝ましょう。

 

細かなことは放置しておくことに慣れましょう。